PVTEC創立20年を迎えたことを感謝すると共に原発事故後の太陽光発電の重要な役割に対し全力で取り組みましょう。
昨年度は、PVTECが設立されて20年にあたり、記念すべき年でありました。
設立された当時、描いていた本格的太陽光発電の時代が到来しようとしています。多くの皆さんのご協力を得て、PVTECは設立時の23社から、約3倍の65社(平成23年5月現在)とこれまでの最大の組合員数になりました。
これにより日本の太陽電池産業技術の研究開発を力強く推進していく体制が整ってきました。これまで経済産業省、NEDOのご支援のもとで、大学やAISTなどの官公庁の研究所をはじめ、多くの関係各位、組合員各位のご協力、ご支援をいただきましたことに深く感謝いたします。
大幅に増大した太陽電池の生産量
2010年の全世界の太陽電池の生産量はPV Newsによれば、23.9GWを超える規模に増大したことが報告されています。2009年の10GWから約2.4倍に大幅に増大しました。日本に於ける太陽電池の生産も各種の助成政策が効を奏し、前年比45%増しと回復してまいりました。しかしながら、海外、特に中国・台湾の台頭はそれをはるかに凌駕し、日本の世界シェアは低下し続けています。何とか、技術開発力をバネにして、再び、世界一奪回を目指さなければなりません。PVTECは昨年度、この目的にむけて2つの方向で大きく活動を開始いたしました。
薄膜シリコン太陽電池コンソーシアム発足
一つは薄膜シリコン太陽電池に関し、組合員の中の薄膜シリコン太陽電池メーカー6社と、AISTが集まってコンソーシアムを作り、オールジャパンでNEDOの委託事業を受託し、研究開発をスタートさせました。大学とも共同研究の体制を作り、つくばのAISTの中に集中研を作り、AISTの研究者、組合企業の研究者が集まり、オールジャパンが一丸となって、薄膜シリコンの高性能化、低価格化のための研究開発を行います。是非とも世界一の成果を出したいと思います。
太陽光発電システムの長寿命・高信頼性への取り組み開始
もうひとつ、太陽電池システムの高信頼性、長寿命化を目指した研究をAISTとともにNEDOの委託事業として開始いたしました。現在、太陽光発電がコスト高だと言われる原因の一つに、その寿命を20年として発電コストが計算されています。これは多くのメーカーがモジュールの寿命を約20年程度としていることにあります。モジュールの寿命を40年にすることで、発電量コストは1/2に低減でき、一挙にグリッドパリティの実現に近づきます。NEDOの目標寿命も30年になっております。
太陽電池は半導体の光電効果を用いており、これは物理現象であり、その発電原理からすると半永久的であると言えます。太陽電池のその本来的特性を引き出し、高信頼性、長寿命を実現するためにはモジュールメーカーだけでなく周辺部材など他の多くのメーカーの協力が必要です。
また、同時に、モジュールだけでなく、パワーコンディショナー、架台などを含めたシステム全体としての長寿命化、高信頼性を図らねばなりません。PVTECには、モジュールメーカーの他、多くの部材メーカーが組合員となっています。AISTをはじめとした研究機関とも連携し、モジュールからシステムまで、長寿命化・高信頼性についての今後の課題、研究開発の方向等を提言し、実施いたします。又、信頼性の基準・認証を支援する事業にも、AIST、JET、さらに、地方自治体である佐賀県とともに共同で開始することにいたしました。
この信頼性・長寿命化に対して、日本の企業、研究機関が連携して進めていく体制ができたことは大変意義があります。NEDO,経済産業省など関係各位、さらに、組合員各位のご協力に感謝いたします。
東日本大震災後の太陽光発電の重要な役割
今年の3月11日に東日本大震災が発生しました。これは、東北地方の人々の多くの人命を失い、又、地域に莫大な損害を与えました。日本の産業自身も大きな損失を受けました。特に、原子力発電所の事故は、日本のみならず世界のエネルギー問題に大きな衝撃を与えました。
これからは、安全でクリーンなエネルギー源である再生エネルギーが、全面にでていかなければならない状況になりました。再生エネルギーのなかで、太陽電池は最も期待されており、いよいよ、太陽光発電が日本の基幹エネルギーの一つとして役割を果さねばなりません。研究開発を担当している我々には重大な役割と使命、責任があると思います。
この日本のエネルギー危機を克服するために、太陽光発電技術において、日本が国際競争力をより一層強化して、日本の基幹産業に成長するように組合員の皆様とともに頑張っていきたいと考えております。
皆様方にはPVTECをこれまで以上にご支援を賜りますようお願い致します。

