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理事長挨拶

永野 広作理事長

 さる5月23日の平成29年度通常総会が経済産業省、関連団体、当組合員会社の皆様に出席頂いて滞りなく執り行なわれ、平成28年度の事業内容、決算報告が承認されました。引き続き行われました理事会で森本弘氏のあとを受けて新理事長に私こと永野広作が選任され、新執行体制が発足しました。
 太陽光発電技術研究組合(PVTEC)は1990年秋に設立されて以来27年という輝かしい歴史のある技術研究組合で、設立以来日本の太陽光発電技術の研究開発をリードしてきました。最初の10年間は三洋電機の井植敏元会長が、その後4年間をカネカの古田武元会長が務めました。私自身は太陽光発電技術の専門家ではありませんが、カネカで研究開発のマネジメントや太陽光発電事業に係ってきた経験を少しでもお役に立てたいという思いで理事長をお引き受けさせて頂きました。関係各位のご協力を頂いて、我が国の太陽光発電が、我が国と世界の環境に貢献できますよう、微力ながらお役に立ちたいと思います。
 古田に続き、三洋電機の桑野元社長が11年間理事長を務められ、これを引き継がれた森本前理事長のご努力と併せ、激動の時代の中でPVTECの研究事業を薄膜太陽電池や超高効率化合物太陽電池の変換効率向上を主体とする研究開発に加え、信頼性向上技術やパワコンを含む太陽光発電システムの研究開発、また新たな市場が期待されるBIPV等の研究開発に重点を移し発展させてこられました。
 平成21年の東日本大震災を契機として我が国は再生可能エネルギーの全量買取制度(FIT)を導入したことから、太陽光発電が急速に普及し平成28年末には80GWという当初の想定を超える太陽光発電システムが設備認定されました。そのうち約30GWが運転開始しましが、急速な導入は一部地域で系統接続が保留されたり、台風や突風、積雪等による自然災害で倒壊する事故も発生しました。又急速な導入で売電価格との差額の国民負担増大への懸念、買取価格の高い認定設備が未稼働案件として大量に残されているという問題が出てまいりました。そこで国はFIT制度の見直しを行い、平成29年4月1日改正FIT法を施行しました。不適切案件の排除も実行されます。又すべての発電設備に保守点検を義務付け、事業計画を含めて遵守事項を守っていない案件には改善命令を出し、従わない場合は認定を取り消すとしています。これにより発電設備を長期に安定稼働できるようになります。今後は買取価格を下げ、2メガ以上は入札で買取価格を決めることで国民負担を減らして太陽光発電を基幹電源化していくとの方針です。
 我が国のエネルギーベストミックスでは再生可能エネルギーを基幹電源と位置付けておりますが、太陽光発電は基幹電源としてはいまだ黎明期です。太陽電池モジュールの変換効率の向上に加えて、部材/BOSのコストダウン、システム効率の向上、長期信頼性の確保等々まだまだ多くの技術課題が山積みされています。PVTECは太陽電池メーカー、部材メーカー、部品・PCS・EPC・O&Mメーカー、産総研、大学を含む広範な研究・技術者にコミュニティーの場を提供しており、オール日本でこうした課題の解決に取り組むためにもPVTECの役割は大きいと考えております。

 さてPVTECでは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のPV Challengesの計画に沿って、平成28年度は、太陽光発電システム効率向上技術の開発として「次世代長寿命・高効率ACモジュールの開発」、システム維持管理技術の開発として「次世代長寿命・高効率パワーコンディショナの開発」をNEDOと共同研究しました。また、太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクトの一環として「On-Siteでのリユースモジュール分別技術の開発」を受託し開発を進めています。更に、経済産業省からは、新エネルギーに関する国際標準開発事業として「建築物一体型太陽光発電(BIPV)モジュールに関する国際標準化」を受託して開発を進めました。これらの事業は、平成29年度も継続して事業を進めて参りますので、期待される成果を残せるように指導していきたいと考えております。
 これらの事業に加えて、自主事業として進めていました「薄膜太陽電池に関する共同研究(国立研究開発法人産業技術総合研究所)」では、三接合太陽電池セルおよび微結晶シリコンボトムセル単体の世界最高効率更新を行いました。「屋外環境下におけるI-V測定方法検討会」では、平成28年12月にガイドラインを公表しました。
 平成29年度は自主事業として進めて参りました「基幹電源化を目指すPV100年システム研究開発の提案」や、「太陽光発電所の健全性を維持するための点検に関する取組」を更に推進して参ります。
 特にPV100年システムでは、「長寿命PVモジュールの開発」と「次世代J-BOXの開発/次世代モニタリングシステムの開発」の2本柱で太陽光発電所が長期に安全・安心・安定を担保出来るような技術開発に取り組むことを視野に入れております。このような技術開発の取り組みが、将来の基幹電源への道を切り拓く事に繋がると信じて開発を進めて参ります。

 最後になりますが、日本の太陽光発電産業が価格競争で難局にある中で、理事長をお引き受けするわけですが、組合の運営には組合員の皆様のご協力が不可欠であります。この場をお借りして皆様のご指導とご協力をお願いしまして就任の挨拶とさせて頂きます。

2017年6月
 理事長 永野 広作

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